開国 安政四年(一八五七年)秋。ようやく残暑も和らぎ、数日前まで一面にゆたかな稲穂が揺れていたが、今ではすっかり刈り獲られ、残された稲の切り株が行儀よく並んでいた。 長崎に赴任した木村喜毅(よしたけ)にとっては半年ぶりの江戸だった。老中堀田に長…
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