老中首座堀田が京から失意のまま城に戻ったその日、老中松平忠固(ただかた)が江戸城を出て彦根藩井伊家上屋敷に着いたのは、もうあたりが薄暗くなった時刻だった。客間に通されると、すぐに井伊直弼が姿を見せた。 「これは松平忠固様、わざわざお越し頂き、…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。