2022-11-04から1日間の記事一覧

小説 万延1860 ~海を渡ったサムライたち~ その30

咸臨丸 一月十二日夜、木村は築地の軍艦操練所からボートで品川沖に停泊中の咸臨丸に乗り込んだ。最後まで見送ってくれたのは父の木村喜彦と姉の久邇(くに)だった。木村は三千両もの大金を協力してくれた父に改めて感謝し涙ぐんだ。その家族とは今朝、涙して…