2022-11-07から1日間の記事一覧

小説 万延1860 ~海を渡ったサムライたち~ その33

サンフランシスコ 咸臨丸はサンフランシスコ湾の南にあるアルカトラズ島の近くに来ると「錨を下せ」という勝の凛とした声と共に鼓手の斉藤留蔵の小太鼓が鳴り、ゆっくりと錨を下した。船の前帆柱には日の丸、中央帆柱の上には幕府旗印の中黒の吹き流し、後帆…